第33回日本小切開・鏡視外科学会(2020年7月11日〜12日、北海道大学呼吸器外科教授 加賀 基知三 会長 完全 web)の指定講演でオンライン発表しましたタイトル“内視鏡下胸腺摘除術 一出血時の胸骨縦切開へのコンバートの重要性を説くー”の内容を発表スライド順に解説します。

発表スライドを見る>>

内視鏡下胸腺摘除術 一出血時の胸骨縦切開へのコンバートの重要性を説くー
【学会発表】

第50回日本小児外科学会(2013年5月31日、東京で開催)のシンポジウムⅠ[小児外科における新たなエビデンス]で発表しましたタイトル”重症筋無力症13例に対する縦隔鏡下拡大胸腺摘出術の成績”の内容を発表スライド順に解説します。

発表スライドを見る>>

症筋無力症13例に対する縦隔鏡下拡大胸腺摘出術の成績
【学会発表】

2012年6月10発行
全国筋無力症友の会「全国筋無力症友の会40周年記念 筋無力症ハンドブック」へ「筋無力症の内視鏡下胸腺手術について思う」を寄稿致しました。

私と筋無力症患者さんとの初めての出会いは医師1年目の研修医の時でした。今から36年前の1976年5月に初めて副主治医として担当した患者さんが男性の筋無力症患者さんでした。筋無力症という内科疾患なのになぜ手術なのかと素朴な疑問をいだきながら、第二助手として手術に入らせていただきました。手術前の試薬の注射で患者さんの垂れ下がった瞼がパッと開き、まるでマジックのように二重瞼になられたことを今でも鮮明に覚えています。

掲載記事を読む>>

胸腺腫に対する内視鏡下手術―手術のコツとピットフォール―
【特別寄稿】

副甲状腺腺腫の患者だった。胸骨の下に金属板をすべり込ませ、リフトで持ち上げる。グーッと上げると、変色した腫瘍が見えた。「やった。これなら胸骨を切らなくて済む」城戸哲夫氏は、その時の感動を10年経っても忘れないでいる。そして静かにいう。「手術のエラー情報を共有しなければ、後進たちの道は拓けない」患者の為に最善を尽くすー。先端医療の伝道師・城戸哲夫氏の”いま”をリポートする。(編集部)

※CLINIC magazine 2007年8月号の「リポート・先端医療の伝道師」として、取材掲載されました。

掲載記事を読む>>

CLINIC magazine 2007年8月号の「リポート・先端医療の伝道師」
【雑誌掲載】

胸骨を切らずに内鏡視下に手術をする方法です。従来は前縦隔腫瘍(重症筋無力症の胸腺切除も含む)の場合、胸部の前正中にあります横5cm、縦30cm、厚さ1.5cmの胸骨を大きく縦にのこぎりで切り開いて手術をしていました。われわれの方法は、胸骨の下方の皮膚に3cm程の小切開を加え、ここから特殊な器具を胸骨の直下に滑り込ませ、それに接続した吊り上げ器械で胸骨を上方へ吊り上げ、生じました空間にカメラ、手術器具を挿入して目的とする手術を施行する方法です。手術手技の概略をイラストで示します。

胸骨つり上げ式の胸腔鏡下手術

続きを読む>>

【胸骨吊り上げ法(城戸)】

重症筋無力症の患者さんは、胸腺摘出などの従来の外科治療により5年後には4割の方が治り、4割の方が改善するとされています。しかし、手術をしてもまだ6割の方が完全には治らず、治療法がまだ完全でない難治性疾患です。
われわれは、2020年7月までに186例の重症筋無力症の患者さんに胸骨挙上式内鏡視下手術法で拡大胸腺摘出(胸腺を周囲の脂肪とともに大きく切除する方法)を行いました。しかし、現在まで2名の患者さんに胸腺の取り残しが手術後に確認されました。この2名の患者さんは再内視鏡下手術により残存胸腺を摘出されています。われわれの方法は、内鏡視下手術のために従来の方法と胸腺切除量で劣ることが考えられ、手術後の改善率が下がることが懸念されましたが、2008年12月時点で、平均観察期間が約7年で寛解率16%、有効(寛解と改善を合わせた)率87%と従来の方法と遜色ない手術治療結果がえられています。

続きを読む>>

【胸骨吊り上げ法(城戸)】

胸腺腫は縦隔腫瘍の中で最も発生頻度が高く、ほとんど全てが手術の対象となります。胸腺腫は癌ではありませんが悪性腫瘍です。すなわち、近接する気管、肺、食道、大血管、心臓など重要な臓器へ浸潤し、また、切除しても再発し生命を脅かすからです。胸腺腫の内視鏡下手術は慎重でなければなりません。他臓器、特に左腕頭静脈や大血管へ明らかに浸潤が認められる場合は、現在のところ適応はないと考えています。肺や心膜へ浸潤している場合は、その完全切除が可能な時に内視鏡下手術の適応があると手術中に判断しています。腫瘍が被膜に囲まれているか、もしくは腫瘍が胸腺内に留まっているかの場合が最適と考えます。

続きを読む>>

【胸骨吊り上げ法(城戸)】

この手術は鏡視下手術の患者さんへの負担の少なさと切開手術の確実性を高める利点を併せ持つ方法です。胸腔鏡下手術では、手術器具が長く、テレビのモニター画面をみながら手術操作を行いますので手術に多少時間が必要です。また、外科医の五感の一つである触診ができないために情報収集が若干低下します。すなわち、内鏡視下手術の欠点は、従来の開胸術に比べ確実性が少し劣ることです。

一方、胸腔鏡下手術でも、実際には病巣部の摘出に小開胸が必要となるわけですが、このときに肋骨と肋骨の間の筋肉を切り、その間を広げる開胸器を使用します。時に、この創痛が原因で早く退院できない患者さんがいらっしゃいます。肋骨と肋骨の間には肋間神経という太い知覚神経が必ずありますので、開胸器を使用すると少なからず痛みを伴います。われわれは、小開胸に匹敵し、痛みが少ない場所として正中上腹部を選びました。この部位は、神経がなく、筋肉を切らずに胸の中に到達できる唯一つの場所と思われます。そして、その箇所から術者の手を入れ胸腔鏡下手術を補助すれば、痛みも少なく、手術自体の確実性も増す胸腔鏡補助下手術が完成するのではないかと考えました。

続きを読む>>

【胸骨吊り上げ法(城戸)】

プロフィール

1951年生まれ。
1977年 北里大学医学部医学科卒業、
同年大阪大学第一外科医員。
大手前病院、奈良県立医科大学、大阪医療刑務所病院法務技官、国立呉病院、大阪府立病院、大阪警察病院呼吸器外科部長、大阪警察病院呼吸器外科客員部長、聖授会OCAT予防医療センター所長を経て現職。
1997年世界で初めて胸骨をつり上げた胸腺の内視鏡下手術を開発。
1999年内視鏡下手術の安全性をより高めるために、ハンドアシストを併用した胸腔鏡下手術法を発表。
重症筋無力症や縦隔腫瘍に対する胸腔鏡下手術の第一人者。
日本呼吸器外科学会終身指導医・特別会員、日本外科学会認定医、日本胸部外科学会終身指導医、日本小切開・鏡視外科学会設立理事、日本医師会認定産業医。

手術・医療相談

全国の医療施設で診断されました肺腫瘍や胸腺腫瘍の患者さんの画像再診断や今後の手術(内視鏡下手術)のご相談を行っています。すでに確定診断されました重症筋無力症患者さんの内視鏡下手術治療法のご相談も行っています。画像再診断や手術法のご相談を承っています。

PAGE TOP